【IBV】「2025年5つのトレンド」を読んで、経営層が注目すべきポイントをまとめてみた

2025年、IBMが提唱する5つのトレンド:生成AIを人間がコントロールするコツ
IBM Institute for Business Value(IBV)とは?
IBM Institute for Business Value(IBV)は、IBMのソート・リーダーシップ機関であり、企業のリーダーが直面する課題に対する戦略的な洞察を提供する調査機関です。
IBVの特徴は、IBMのグローバルネットワークと最先端テクノロジーを活用し、データ駆動型の深い分析を提供する点にあります。他のシンクタンクと異なり、AI、クラウド、デジタルトランスフォーメーションといった最新技術に関する実証データを活用し、業界別・技術別・役職別に最適なインサイトを提供しています。
今回のレポート「2025年 5つのトレンド」は、2025年に企業が直面する重要な変化と、それに適応するための戦略を示しています。毎年IBVから出る定番のレポートですね。
以下では、特に経営層が注目すべきポイントに絞って、レポートの内容を詳しく解説し、時間がない方向けに「読んだよ!」と言えるくらいには要素を網羅してまとめています。詳細を知りたい方はぜひレポート本文をDLしてご覧ください。
▷レポートはこちら
1. AIが仕事を変える ― 人材育成がカギ
AIは単なるツールではなく、「エージェンティックAI」として進化し、業務プロセスや意思決定のサポート役として活用が進んでいます。これにより、従業員のスキルセットも変化し、AIと共に働く能力が求められています。
「87%の経営層は、生成AIは従業員に取って代わるのではなく、その能力を拡張すると予想している」
経営層の注目ポイント
- AIと人材の共存を前提に、社員のスキルをアップデート
- AI活用を前提とした業務プロセスの再構築
- AIリテラシーを企業文化として根付かせ、全社的な適応力を高める
2. 技術的負債の管理 ― 短期の効率化 vs. 長期の持続性
デジタル変革のスピードが上がる中、短期的な導入を優先しすぎると、技術的負債(将来的なコストや非効率の増大)を招くリスクがあります。
「技術的負債とは、開発や実装を急ぐあまり最善ではない技術的意思決定を早急に下すことで生じる、長期的なコストと非効率のことである」
例:
自動車業界では、車の寿命が15年以上続く一方で、デジタル技術の進化により、車内のソフトウェアは1年半で時代遅れになるという課題があります。このため、多くのメーカーが、AIを活用してソフトウェアの更新を柔軟に行えるよう設計を見直し、より効率的なシステム構築を進めています。
経営層の注目ポイント
- AIを活かせる最新のITインフラを整備
- 短期導入のリスクを管理し、持続可能な技術選択を優先
- CIO・CFOが連携し、ROIをベースに技術投資を最適化
3. AI時代の立地戦略 ― どこでビジネスを展開するか?
AIの導入と規制の変化により、企業はオペレーション拠点の選定を再考しています。
「2024年には経営層の67%が、AIの使用を理由にオペレーションの場所を変えたと述べている」
経営層の注目ポイント
- データ規制と市場環境を考慮し、拠点戦略を最適化
- ハイブリッドクラウドを活用し、規制順守とデータ管理を両立
- 生成AIを活用した市場分析で、拠点選定のリスクを管理
4. IT予算の新ルール ― 「セルフファンディング」がカギ
多くの企業が、AI導入のコスト削減効果を活用し、投資の自己資金調達(セルフファンディング)を目指しています。
「95%の経営層は、生成AIは2026年までに少なくとも部分的にはセルフファンディングできるようになると考えている」
経営層の注目ポイント
- ROIを評価し、最適な分野に優先投資
- 財務部門と連携し、AI導入の費用対効果を高める
- オープンソースAIの活用で導入コストを抑える
5. AIで生まれる新しいビジネスモデル
AIを活用した新たな収益モデルの確立が急務となっています。
「生成AIを活用して製品アイデアを生み出した企業の90%が、市場の変化への対応が迅速になり、競争優位性が向上したと回答」
経営層の注目ポイント
- AIによる市場分析を活用し、需要変化に即応
- エコシステムパートナーと連携し、新たな価値創出を推進
- AIを活用したパーソナライズサービスで、顧客ロイヤルティを向上
まとめ:2025年に向けたアクションプラン
- AIリテラシーを強化し、社内に浸透
- 技術的負債を抑え、持続可能なIT戦略を確立
- データ規制を考慮し、拠点戦略を見直す
- IT予算をセルフファンディング型へシフト
- AI活用でビジネスモデルを進化させる
2025年は、AIの進化がビジネスの勝敗を分ける年になります。今こそ、未来を見据えた戦略を描くタイミングです。
レポートのエッセンスは掴めましたか?
他のテクノロジーや業界のレポートを読む際の指針になる、将来的な見通しと具体性があるレポートだったなと感じました。
また、特にTrend3の立地戦略とTrend4のセルフ・ファンディングは、生成AI活用をうたう他のレポートではあまり紹介されていない観点でしたね。生成AIの活用方法ではなく、生成AIをどこで使うか、どう利益還元していくかという新たな視点を与えてくれました。
次回はEYのレポートを読んだ気になれるくらいのレベルでご紹介したいと思います。お楽しみに!